2013年12月10日火曜日

日本列島が動き出した



ニュース アップデート(1)

日本列島が動き出した
「データを見て、本当にびっくりしましたよ。これは東日本大震災のときと同じじゃないかと」東京大学名誉教授の村井俊治氏は、いまでもその驚きが覚めやらないかのように、そう語りだした。「初めは今年6月末、九州・四国・紀伊半島で異常変動がありました。それが91~6日に、日本全国が異常な変動を起こし、私たちのシステムでは日本地図が真っ赤になったんです。その次の週は逆に変動がなく、大変静かになったのですが、東日本大震災の前には、こうした変動と静謐期間が半年ほどの間に3回、繰り返されました。そうした経験から、私たちは今年12月から来年3月頃の期間に南海トラフでの大地震が起こる可能性が高いと考えたのです」この冬、南海トラフでの大地震が起こる。衝撃的な予測だが、実はここまでの話ならば、村井氏らは過去にも取材で訴えてきたという。ところがいま、事態はさらに悪化しているというのだ。
(「現在ビジネス」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37571




(コメント)
図を見て頂きたい、GPS観測によると、このように日本は外部のプレートにより東西捻れて圧力がかけられている。東日本は3:11でエネルギー放出され東に動いている。逆に西日本はフィリピン海プレートのプレッシャーで西に押されて来ている。以下、国土地理院の報告。
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国土地理院によりますと、巨大地震の直後、宮城県の牡鹿半島が東へ5メートル30センチ、東京・港区が東へ27センチ移動するなど、東北や関東を中心に地盤が大きく移動しました。地盤の移動は、東北地方の太平洋側を中心に今も続いていて、この2年間で、宮城県の牡鹿半島はさらに74センチ東へ移動しました。これは、巨大地震のあと、陸側のプレートが海側のプレートの上に乗り上がるような、東向きの移動を続いているためと考えられています。一方、関東の西側や甲信越、青森県北部、それに北海道南部では、地震の直後地盤が東へ移動したあとにゆっくりと隆起しています。隆起が確認された地域やその付近では、先月25日に栃木県日光市で震度5強の揺れを観測する地震があったほか、巨大地震直後には長野県栄村や静岡県富士宮市で震度6強の揺れを観測する地震が起きています。また、政府の地震調査委員会が巨大地震のあとに地震が起きる危険性が高くなっていると発表した、神奈川県の「三浦半島断層群」、東京と埼玉県にまたがる「立川断層帯」、「糸魚川・静岡構造線断層帯」のうち、長野県の「牛伏寺断層」も、隆起した範囲に入っています。国土地理院の西村主任研究官は、「糸魚川・静岡構造線断層帯や立川断層付近でも地盤の変動が今も続いている。震源から離れた地域でも、地震には注意が必要だ」と話しています。
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東日本では3:11以来、余震は今も続いている。そして震源が宮城、福島、茨城、千葉と南下してきている。あれだけ太平洋プレートが動いたことを考えると、南側でフィリピン海プレートと隣接する房総沖東、ないし、相模トラフに影響が出ることは考えられるのではないか? それで、東京都も首都圏直下地震のパターンに周期的にはまだ余裕があるはずの元禄型関東地震(相模トラフを震源とする関東大震災型地震)も想定に組み込んでいる。また、最近は火山活動により、小笠原諸島に新しい島が出現。これは富士火山帯に属する火山帯だ。



ニュースアップデート(2)

小笠原の火山新島:大地震の前兆か 関東で3週連続M5

毎日新聞 20131205日 1643分(最終更新 1205日 1955分)


 11月20日には、小笠原諸島・西之島の南東約500メートルで1974年以来の噴火が確認され、新島が出現した。溶岩が流れ出ており、波の浸食に耐える島に成長しつつある。この噴火は本土の地震や火山活動と関係があるのか。米地質調査所によると、50年以降、世界ではM9以上の巨大地震が東日本大震災を含め5回起きているが、東日本を除く4回の地震では数年以内に近くの火山が噴火している。「東日本大震災は東日本がのる北米プレートと太平洋プレートの境界で起きたものですが、西之島はフィリピン海プレートにのっています。地震にかかわったプレートと違うことと、東京から南へ1000キロ離れていることを考え合わせると、東日本大震災に誘発されて噴火したものではないと思われます」と武蔵野学院大学の島村英紀(ひでき)特任教授(地震学)。「西之島は富士山から伊豆諸島、小笠原諸島へと連なる富士火山帯に属しています。西之島と富士山は地下でマグマがつながっているかもしれないが、そうだとしても距離があるので互いに影響を与えることはないでしょう」と話す。

(コメント)
沖縄大学名誉教授の木村政昭氏の見解によると2015年までに、富士山噴火が起るという。また南海トラフに関しては、今年、フィリピンと台湾で大きな地震が発生し、実は、沖縄地域で小さな地震が頻発している。しかし、九州から伊豆半島という南海トラフ震源域となるエリアでは不気味なほど地震が起っていない。その代わり、淡路島や大阪南など内陸の断層上で地震が起っている。これはフィリピン海プレートに西日本が押され、すでに亀裂のある内陸の断層あたりで地震が起っていると思われる。四国は過去70年間に2.7m西に動いている。確実にプレッシャーは溜まってきている。それらを考え合わせると南海トラフ地震も近いのか?

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ニュース アップデート(3)
首都直下地震の被害想定の見直しを進める中央防災会議の専門委員を務める河田恵昭(よしあき)・関西大教授が、マグニチュード(M)7・3の首都直下地震による経済被害が300兆円に達するとの試算をまとめた。従来の国想定の約3倍で、国の一般会計の3年分を超える。東京都内で20日にあった21世紀文明シンポジウム「減災~あすへの備え」(ひょうご震災記念21世紀研究機構、朝日新聞社主催)で明らかにした。

(コメント)
300兆円というと、南海トラフ被害総額の220兆円を上回る。国家予算の3年分。もちろん世界都市東京壊滅となれば影響は世界にも及ぶ。国債の暴落、円激安など経済界にも激震が走るだろう。この被害額には原発汚染問題は含まれていない。しかし、震度6以上の激震が原発立地エリアを襲えば無傷ということはあり得ないだろう。南海トラフ巨大地震の死者予測もアップデートされた。死者は13万人、ただし迅速避難で9割減(大阪府想定/毎日新聞 20131030日 大阪夕刊)となっている。

どうも、これらの被害予測と現実の危機管理対応が乖離していると感じざるを得ない。2020年の東京湾岸でのオリンピックも予測される東京湾北部地震の震源中心地だ。東京23区の7割で震度6強以上という東京湾北部地震に対して首都機能移転は進んでいるのだろうか?今日、政府は、企業でのBCP(事業継続計画)を推進しているが、行政機関の事業継続計画はきちんと話し合われているのだろうか? 霞ヶ関ブラックアウトの場合には、現実には全国知事の役割が大事になろう。政府の災害時危機管理本部に関しては、官邸が破壊された場合、災害本部長となる首相と官邸危機管理機能は立川防災館ないし、国土省が管理する有明にある、東京臨海広域防災公園内防災体験学習施設内のオペレーションルームに移動することになっている。これらの施設は免震構造になっており震度7を震度4に軽減できることになっている。ただし、有明のほうは海岸で津波が心配される。有明施設のサイト:

食料、物資補給基地としては東扇島が指定されている。自衛隊の防災訓練も荒川や都内で行われている。しかし、東京は消費地ではあっても生産地ではないことを考えると、南海トラフで西日本がやられるとシリアスな問題となる。
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南海トラフ巨大地震で最大950万人の避難者が1日当たり3食、3リットルを消費すると、1週間合計で9600万食、14・7万トンもの食料と水が不足する。毛布も520万枚不足する。全国のペットボトルの水は数日で底を突く。阪神大震災でも水不足が生じ、住民は破損した配水管から道路上にあふれた水をくんで急場をしのいだ。南海トラフ巨大地震では、そうした深刻な水不足が広域で長期間続く恐れがある。買い占めも全国的に発生し、物資はさらに枯渇するとの見立てもある。仙台市は東日本大震災後、それまで「3日間分」と呼びかけていた備蓄の目安を「1週間分が安心」に変更した。同市の担当者は「3日分では不十分だと身にしみた」と説明する。
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(南海、東南海、東海 3震源域連動地震のケース、震源域は1000キロに渡る)



東京は関東大震災、東京大空襲と2度にわたって破壊されている。そこから不死鳥のようによみがえり、1964年の東京オリンピックの時、インフラが整えられ今日の繁栄を見ている。しかし、それから50年、インフラは老朽化している。大事なことは単なるインフラ整備ではなく、どういう価値観で新しい東京を築いていくのか?「復旧」は元に戻す事、「復興」は新しい価値観で都市創造をしてゆくこと。「復興」はより質の高いものにしてゆくことが含まれる。さて、3:11から学んだものを、どう生かして日本を再建するのか?3:11の直後は以下のようなコメント聞かれたこともあった。

「この大震災は日本の次の生き方を考えなさいと神が与えたチャンスと考えるべきだ。(安斎隆 セブン銀行会長  読売新聞2012年1月18日論点)

しかし、現内閣は民主党の2030年までに原発廃止の方針を転換。原発を基本エネルギーとする方針を打ち出している。世界の巨大地震の2割は日本周辺で起っているというのに。復旧はしても、復興しているのだろうか?同じ過ちを繰り返さないと誓っても歴史は繰り返してしまうのか?



どうも同じ日本に逆戻りしている、いやそれ以前に逆戻りしているような気がしてならない。

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災害支援団体クラッシュジャパン次期東京災害対策担当
日本防災士機構認定 防災士
栗原 一芳
crashkazu@gmail.com