2013年10月2日水曜日

防災と災害弱者



 日本の人口比率

今日、日本の人口は127、799、000人。うち東京都は全国人口の10.3%(1319万6千)でダントツ一位。次いで、神奈川県(905万8千)、大阪府(886万1千)、愛知県(741万6千)そして、埼玉県(720万7千)と続く。日本全国の人口は減少の傾向にあるが、東京の人口は増えている。同時に高齢者や、一人暮らしも増えている。これは後述するが防災上、脆弱な分野である。外国人は3年連続で減少している。生産年齢(15歳から64歳)の割合が一番高いのが東京。老年人口(65歳以上)は沖縄県を除く46都道府県で年少人口を上回っている。75歳以上が人口の1割を超える。人口比率では

年少人口(14歳以下)    13.1%
生産人口(15歳から64歳) 63.6%
老人人口(65歳以上)    23.3%


防災と老人人口

現在でも他国と比べ、年少人口割合は最も低く、老人人口割合は最も高い。堂々たる老人大国だ。実はこれは防災から見ると大きなチャレンジとなる。災害で犠牲者となる大半は高齢者だからだ。災害は弱いものいじめ。つまり脆弱な部分に大きな被害が出る。災害弱者とは

   高齢者
   障害者
   外国人
   乳幼児(お母さん)など

つまり、この人達は一人で避難できないし、被災した時に他人の助けが必要になる。特に一人暮らしの場合(そして外との交渉が無い場合)どういう状態なのか周りが気がつかない事が多い。また、いつものデイケアのヘルパーも震災直後は来られない。ただでさえ、プライバシー確保がむずかしく、集団生活に慣れない人にはきつい避難所生活で体調不調になり、持病が悪化する等問題が起きやすい。精神的に弱い人はひきこもりや鬱になる可能性がある。また、逆にみなし仮設(自宅避難)の場合、情報や物資が受け取れない問題もある。若い人ならインターネットも使えるが、停電の中、一人暮らしのお年寄りは孤立してしまう。そこで普段からの「顔の見える」関係つくりが強調されている。自閉症の子を持つ親などは避難所でいつも以上に気をつかわなければならなくなるだろう。精神面でもサポート体制が必要になる。そのように避難所では多様性を配慮した支援が必要になる。ボランティアの派遣が始まったら、要援護者に関する情報の整理、発信、マッチングなどボランティアコーディネータ-の役割が大変重要となる。

要援護者とは

1.早急に自力で避難困難な人、地域とつながりがなく、社会的に孤立状態にあり、周囲からその存在さえ認知されていない人。

2.周囲の人々は存在は認知していても、情報が届きにくい人

3.危険回避、避難行動、避難生活、復旧、復興活動を自力では行えず、他者より援護が 
        必要な人々

4.乳幼児、要介護者、思い病気を抱えており(またそのような病人を抱えており)自分
        だけで避難できない状態にあり支援が必要な人々。

5.理解判断がむづかしい人

6.旅行者、観光客等土地勘がなく、情報なく判断できない人々
                
 (東京ボランティア市民活動センター)



避難時のヒント
要援護者は避難に時間がかかるので、警報の出た時点では遅すぎる場合がある、常に災害情報を聞きながら、適時判断し、早めに避難行動を開始する。普段、顔の見える関係を作っておく。

生活支援時のヒント
避難所から慣れない仮設住宅、自宅など移動の際、引っ越し、買い物、病院付き添い、自宅片付け、心のケアなどの支援が必要となる。特に仮設では要援護者は孤立しやすく、周りに支援の輪の構築が必要。生活支援相談員、民生委員等と連携して支援する必要あり。多様なニーズに答えるため、専門家との連携、ネットワークが重要。


増加する高齢者人口の中で、援助するボランティアは圧倒的に足りない状況。実際は自分も避難しなければならない状況で他者の援助がどこまでできるのかも課題。ともあれ、行政だけでは大災害時には対応できないので、災害時市民ボランティアを養成する講座が社会福祉協議会などで用意されている。ご関心ある方は、それぞれの市町村にお尋ね下さい。


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一般社団法人 災害支援団体クラッシュジャパン
次期東京災害対策担当
防災士
栗原一芳(くりはら かずよし)

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